- スポーツ整形外科 スタッフ紹介 -
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従来、前十字靭帯は損傷すると治癒しないものとされ、靭帯再建術が施行されてきました。
しかしながら、新鮮症例(初回損傷後2週間以内)の約半数において、入院・手術することなく、装具とリハビリテーションにて治癒し、
スポーツ復帰が可能になることが明らかになりました(図1,2 参照)。早期の診断、治療開始が必須でありますので、膝を損傷された方の早期受診をお勧めします。
なお、受傷後4-5週間経過した段階で、この非手術/保存的治療の成否が明らかになります。その時点で、手術療法へ移行しても成績の劣化や治療期間の延長には至りません。
手術療法が必要な場合は、早期に最適な手術を受けていただきます。
図1 17歳 男性。 ラグビーにて左膝受傷後2週間のMRI
(a) 矢状断像: 前十字靭帯は高輝度部が大部分を占め、蛇行しており、明らかな損傷像を呈している(矢印)
(b) 冠状断像:前十字靭帯中央部で高輝度となり、断裂像を呈している(矢印)
(c)内側半月は、矢状断像にて後節の高輝度陰影を認め、縦断裂を呈している(矢印)
以上をもって、前十字靭帯、内側半月損傷と診断した。
図2 同一例の受傷後10ヶ月のMRI。
(a) 矢状断像: 前十字靭帯は走行、輝度、太さとも正常化し、良好な緊張を呈している(矢印)
(b) 冠状断像:前十字靭帯中央部の高輝度部は消失し、良好な緊張と形態を示し、正常陰影を呈している(矢印)
(c) 内側半月は、矢状断像にて後節の高輝度陰影が消失し、治癒を呈している(矢印)
以上をもって、前十字靭帯、内側半月は治癒したものと判定した。
スポーツ整形外科センター長:史野 根生(しの こんせい)
東京大学医学部卒、医学博士。
現職:
行岡病院スポーツ整形外科センター長・顧問
札幌医科大学 整形外科 客員教授
専門領域:
スポーツ整形外科、とくに膝スポーツ傷害のエキスパート。
“膝蓋腱を用いた長方形骨孔前十字靭帯再建術”、 “三重束前十字靭帯再建術” など、最も正常に近い前十字靭帯再建を可能にした術式で世界的に知られる。
職歴:
・大阪大学整形外科にて “膝・スポーツ クリニック” 創設
・大阪大学講師
・大阪労災病院 スポーツ整形外科初代部長
・大阪府立大学 教授を経て 現職
学会活動
(会員)
American Academy of Orthopaedic Surgeons(米国整形外科学会)
Anterior Cruciate Ligament Study Group(国際前十字靭帯学会)
ESSKA/European Society for Sports Traumatology, Knee Surgery and Arthroscopy
(欧州 膝・関節鏡・スポーツ整形外科学会)
(名誉会員)
・日本臨床バイオメカニクス学会
・JOSKAS(日本膝・関節鏡・スポーツ整形外科学会)
・Arthroscopy Association of North America (北米関節鏡学会)
・ISAKOS(国際関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会)
(会長経験)
・膝関節フォーラム
・スポーツ傷害フォーラム
・日本関節鏡学会
・日本臨床バイオメカニクス学会
・JOSKAS(日本膝・関節鏡・スポーツ整形外科学会)
学会賞受賞
*John Joyce賞、 ISAKOS(国際関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会)より3回
*Albert Trillat賞、 ISAKOS(国際関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会)より2回
*President Award、 APOSSM (アジア太平洋スポーツ整形外科学会) より
*Masaki Watanabe賞、 JOSKAS(日本膝・関節鏡・スポーツ整形外科学会)より
*Porto賞、 ESSKA(欧州 膝・関節鏡・スポーツ整形外科学会)より
*Takagi-Watanabe賞 APKASS(アジア太平洋 膝・関節鏡・スポーツ整形外科学会)より
主な著書
スポーツ膝の臨床(単著、金原出版、2014)
新版 スポーツ整形外科学(共編著、南江堂、2011)
ACL Injury and Its Treatment(共編著、英文、Springer、 2016)
ACLのエッセンス:膝前十字靭帯のエビデンスと臨床(単著、文光堂、2022)
Essence of Anterior Cruciate Ligament--Scientific Evidence and Clinical Practice (単著、英文、Springer、 2023)
英語著書・論文(2022年の時点で)
原著 155編
著書/分担執筆、総説18編
開発した手術/医療器械
1. 鏡視下ドリルガイド/Anterolateral-Entry Femoral Aimer w/ Smith-Nephew
2. 再建靭帯張力下固定具/Double Spike Plate w/ Meira Co.(日本、米国特許)
3. 長方形骨孔作成器具/Dilator system for rectangular tunnel ligament reconstruction w/ Smith-Nephew(日本特許)
4. (再建靭帯)骨片張力下固定具 Bone-plug Tensioning and Fixation system w/ Smith-Nephew(日本、米国特許)
5. 膝不安定性測定器具/KS Measure w/ 日本シグマックス