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人工関節センターのご案内

膝関節・股関節などの障害があると歩行という人類が獲得した能力が低下してしまいます。そこで世界的には人工関節で機能を回復することが標準治療として広く行われています。
当センターでは関節を温存する骨切り術と人工物に入れ替える人工関節という2つの手法で、機能を再建し、リハビリテーションを用いて、確実に早期に社会復帰を目指すことを行っております。股関節や膝関節の痛みがあり、自骨手術や人工関節手術にご興味のある方はご相談ください。
なお人工関節手術には、ナビゲーションシステムを採用しています。

「ナビゲーションシステム」とは、先進医療のひとつで、コンピューター支援手術システムです。


AR Hip Navigationシステム

人工股関節置換術を行った際に、まれに合併症が起きることがあります。

その合併症のひとつである脱臼を防ぐためには、人工股関節の正確な設置が必要となります。

当センターでは、人工股関節置換術にはAR Hip Navigationシステムを採用しています。

ARのアルゴリズム

ARは、一般的に「拡張現実」と訳され、現実の世界に情報を追加するという技術で、最新のカーナビゲーションやGoogleマップで映像や周囲の情報を映し出す、あるいはポケモンGOのような現実世界をフィールドとしたゲーム等において利用されています。

AR Hip Navigationシステムの特徴

1. 正確な角度での寛骨臼カップの設置

●一般的な角度計を用いたカップ設置に比べ高い設置精度


2. シンプルなレジストレーションプロセス

●3点のみの登録でレジストレーションが完了するため手術時間の延長は最小限です。


3. 優れたエラーマネージメントシステム

●AR技術の特徴である "映像を重ね合わせる" 機能を活用し、登録したポイントを実際手術風景に重ね合わせるため、登録ポイントのずれなどを視覚的に確認が可能です。


4. iPhone用アプリの高い汎用性

●国内で開発された専用のiPhone用アプリを使用するため、適宜アップデートされた最新機能の使用が可能です。


AR Hip Navigationシステムの原理

骨盤用・大腿骨用・プローベのQRマーカーをiPhoneのカメラで読み込むことで、


QRマーカーの位置情報を検出し、AR技術により画面上に重畳表示させています。


  • 原理

    原理


  • 手術前

    手術前

  • OP中

    手術中

  • 手術後

    手術後

iASSIST

当院では人工膝関節手術にiASSIST Navigationシステムを導入しています。

大腿骨や脛骨の骨切りを正確に行うために有用です。モニター画面に角度が表示され、骨の変形に惑わされることなく正しい角度での手術が可能となります。これにより高い精度のより正確な手術が可能になります。

人工膝関節が正確に挿入されない場合、痛みや早期のゆるみなどを引き起こすことが報告されており、より正確な手術を行うことが治療成績向上のため重要です。

「ナビゲーションシステム」の導入により、より精度の高い手術を行えることが証明されています。特に変形の強い患者さんには有用と言われています。

ナビゲーションシステムによって手術をサポートする方法は、以前から一部の病院で導入されていました。

しかし従来のナビゲーションシステムでは骨の位置情報を読み取るセンサーを設置する為に膝関節周囲の骨に大きなピンを挿す必要がありました。

場合によってはそのピンを挿したことが骨折の原因となることもありました。

また、医師が術野とナビゲーション画面とを交互に確認しながら手術をする必要があるために手術時間が延長し患者さんの体への負担が大きくなるといった課題がありました。

「iASSIST」では、正確かつ迅速でより安全な手術が可能となるため、患者さんのQOL(生活の質)をさらに向上させることが期待できます。



人工膝関節単顆置換術(UKA)

人工膝関節単顆置換術(UKA : Unicompartmental Knee Arthroplasty)とは

人工膝関節手術には大きく分けて全置換術と単顆置換術があります。

膝関節は関節の内側と外側で体重を支えています。

関節のすり減りが「内側だけ」または「外側だけ」の場合に「そこだけ」を人工関節で入れ替えする方法が人工膝関節単顆置換術です。関節のすり減りはほとんど「内側」に起こります。

それに対して人工膝関節全置換術は関節の内側以外にもすり減りや破壊が進んでいる場合に行われます。

例えるなら「総入れ歯にするのがTKA、部分入れ歯にするのがUKA」でしょうか。

関節の一部のみを手術するUKAは膝への負担が非常に少ない(低侵襲)ために回復も早く、自分の膝の感覚を生かせるために優れた手術方法として世界中に拡大しています。


UAK

診療時間(担当医表)

新棟2F

時間 診療室

午前

9:00

11:30

診察室-1 小出 周二 行岡 太志 宮崎 忠勝
診察室-2 宮崎 忠勝 小出 周二
診察室-3 行岡 太志
診察室-4
診察室-5

 

午後

<完全予約診>

13:00

15:30

診察室-1 宮崎 忠勝
診察室-2
診察室-3

大澤 傑

(14:00~16:00)

診察室-4
診察室-5

2022年11月10日更新

スタッフ紹介

スタッフ 大澤 傑 : センター長
宮崎 忠勝 :整形外科医
小出 周二 :整形外科医
行岡 太志:整形外科医
外来診療予約 お電話にてご予約ください
金曜日午後 担当 大澤 傑

著書

  • 大澤 傑 (著), 平 薫代 (著):「リウマチ性疾患のリハビリテーション医療」 洋學社、2021
  • 大澤 傑:LCS-TKAについて「我が国で20年以上前より使用されてきた人工関節手術の成績とその分布」大西啓靖編、セルテスコメディカルエンジニアリング、2014、pp531-540.
  • 大澤 傑:楔状外反骨切り術(PauwelsⅡ)in 「股関節骨切り術のすべて」糸満盛憲編、メディカルビュー社、東京、2013、pp99-112.
  • 大澤 傑:高位脛骨骨切り術.整形外科看護、病棟看護に生かせる整形外科の手術の実際 飯田寛和編、2012臨時増刊、2012、137-145.
  • 大澤 傑:変形性股関節症の関節温存手術 上野良三監修、日本医療企画、2009.
  • 大澤 傑:外反・内反骨切り術 NEW MOOK整形外科越智隆弘、菊地臣一編、No.13.特集・股関節外科、金原出版、2003、pp130-140.